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相続登記の義務化|2024年改正のポイント
法律・制度 2026年05月27日

相続登記の義務化|2024年改正のポイント

2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料が課されます。所有者不明土地問題への対策として始まったこの制度の中身、過去の相続にも遡及適用される範囲、簡便な「相続人申告登記」までを解説します。

はじめに

「親が亡くなってから何年も経つけれど、実家の登記をしていない」「相続人が多くて協議がまとまらず放置」――これまで相続登記には法的な期限がなく、結果として全国で所有者不明土地が九州本土と同じ面積(約410万ヘクタール)に達しました。この問題解決のため、2024年4月から相続登記が義務化。違反すれば過料の対象となります。本記事では新制度の中身、過去の相続にも適用される範囲、簡便な手続きまでをわかりやすく解説します。

相続登記義務化の概要|3年以内に登記しないと過料10万円

2024年4月1日施行の改正不動産登記法により、相続(遺贈含む)で不動産を取得した相続人は、「相続の開始および所有権取得を知った日から3年以内」に相続登記を申請する義務を負います。正当な理由なく義務に違反すると10万円以下の過料が課されます。

「正当な理由」として認められる例:
・相続人が極めて多数で戸籍収集等に時間がかかる
・遺言の有効性や遺産範囲が争われている
・相続人に重病等の事情がある
・相続人がDV被害等で生命身体に危害を受けるおそれ

「忙しくて」「面倒で」「相続人間で揉めている」は一般に正当な理由になりません。過料は刑罰ではなく行政罰ですが、登記官が裁判所に通知し、裁判所が決定します。

新たに発生する相続だけでなく「過去の相続」にも遡及適用される点が最大の特徴。2024年4月1日以前に発生した相続でも、施行日から3年以内(2027年3月31日まで)に登記しないと過料の対象です。「祖父名義のまま」の不動産がある方は早急な対応が必要です。

なぜ義務化された?所有者不明土地問題の深刻さ

相続登記が義務化された背景には、所有者不明土地が引き起こす社会問題があります。

【公共事業の停滞】道路拡幅・河川改修・防災工事のために土地買収しようとしても、所有者がわからず手続きが進まない。所有者特定に1件あたり数十万円〜数百万円のコストと数年の時間がかかるケースも。

【空き家・耕作放棄地の増加】固定資産税の納税者通知書が届かず、適切な管理がされない。老朽化空き家は倒壊・火災のリスクとなり、近隣に迷惑をかける。

【売却・利活用の困難化】所有権を主張する相続人が増え続け、何十人もの相続人全員の同意を取らなければ売却できない事態に。30年放置されると相続人が50人を超えるケースもあり、事実上売却不可能になります。

これらの問題を防ぐため、2021年の民法・不動産登記法改正で相続登記義務化が決定し、2024年4月から施行されました。同時に、所有者不明土地の管理を簡素化する制度や、相続土地の国庫帰属制度なども整備されています。

相続人申告登記|簡便な義務履行手段

「遺産分割協議がまとまらず3年以内に相続登記できない」というケースを救済する制度として、2024年4月から「相続人申告登記」が新設されました。

【相続人申告登記とは】
・自分が相続人の1人であることを法務局に申し出る登記
・添付書類は申告者本人の戸籍謄本のみ(被相続人との関係を示すもの)
・遺産分割協議書や他の相続人の同意は不要
・申告した相続人については登記義務を履行したとみなされる

通常の相続登記が「所有権の移転」をするのに対し、相続人申告登記は「相続人の存在を公示する」だけの簡易な制度。費用も登録免許税が非課税で、専門家を使っても数万円程度に抑えられます。

ただし、相続人申告登記をしても遺産分割協議は別途必要で、協議成立後は3年以内に通常の相続登記を行わなければなりません。あくまで暫定的措置と位置付けられています。

相続登記の手順と費用|自分でできる?司法書士に頼む?

相続登記の手順は次の通り。

  1. 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本一式を収集
  2. 相続人全員の現在戸籍・住民票を収集
  3. 遺産分割協議書を作成(相続人全員の実印・印鑑証明書)
  4. 固定資産税評価証明書を市区町村で取得
  5. 法務局に申請書・添付書類・登録免許税を納付して申請

費用は次のように分かれます。
・登録免許税:固定資産税評価額×0.4%(評価額1,500万円なら6万円)
・戸籍・住民票等取得費:数千円〜2万円
・司法書士報酬:5万〜15万円(不動産数・相続人数で変動)

自分で申請することも可能ですが、戸籍収集や遺産分割協議書作成は意外と手間がかかります。相続人が3人以上、不動産が複数、過去の世代に未登記がある等のケースでは司法書士依頼が無難です。

なお、相続税の申告期限は「相続開始を知った日から10か月以内」、相続登記の申請期限は「3年以内」。両者は連動していませんが、相続税申告のタイミングで一緒に登記まで済ませてしまうのが効率的です。

まとめ

2024年4月からの相続登記義務化で、相続人は3年以内に登記する義務を負い、違反すれば10万円以下の過料が課されます。過去の相続も2027年3月末までが期限。協議が長引きそうな場合は「相続人申告登記」という簡便な手続きも用意されています。「とりあえずそのままにしておこう」は通用しない時代に。バナナハウスでは提携司法書士をご紹介し、相続登記から不動産活用までトータルでサポートします。


この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きや控除額は個別事情により異なるため、税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。