リースバックは家を売って現金化しつつ、賃料を払って住み続けられる仕組みです。シニア層の老後資金確保や、急な資金需要への対応として注目されています。
はじめに
「家を売りたいけど引っ越したくない」「住み慣れた地域を離れたくない」「老後資金を確保したいが今の家に愛着がある」、そんなニーズに応える仕組みが「リースバック」です。所有していた家を不動産会社や投資家に売却し、その同じ家を賃貸として借り直して住み続ける形態で、近年シニア層を中心に利用者が増えています。本記事ではリースバックの仕組み、メリット・デメリット、苫小牧での相場感、利用時の注意点を整理して解説します。
リースバックの仕組み
リースバックは「セール&リースバック」の略で、(1)家の所有権を買主(リースバック事業者)に売却、(2)同時に売主が買主と賃貸借契約を結ぶ、(3)売却代金を一括で受け取りつつ、毎月家賃を払って住み続ける、という3ステップの取引です。買主は通常、不動産投資会社・ファンド・地元の不動産会社などで、売主から受け取る家賃を投資リターンとして見込みます。売主にとってのメリットは、(1)まとまった現金が即座に手に入る、(2)引越し不要で生活環境を維持、(3)固定資産税・修繕費の負担がなくなる、(4)将来買い戻し可能な契約も組める、の4点です。とくに自営業や年金生活で住宅ローンが組めない方、相続トラブルを避けたいシニア世帯、急な医療費・教育費が必要な世帯にとって有効な選択肢となります。
注意すべき条件
リースバックには注意点が多くあります。最大の論点は売却価格で、通常の市場価格より20〜30%安い「投資価格」で取引されることが一般的です。たとえば市場価格2,500万円の家でも、リースバックでは1,750〜2,000万円程度になります。また家賃も近隣相場より高めに設定されることが多く、相場の1.2〜1.5倍が目安です。買主は投資リターンを確保する必要があるため、年間賃料が売却価格の8〜12%(利回り)になるよう家賃を設定します。たとえば1,800万円で売却した場合、月家賃は12〜18万円程度になり、苫小牧の賃貸相場と比べてかなり割高です。また賃貸借契約は「定期借家契約」で結ばれることが多く、2〜5年の契約期間が満了すると更新できない可能性もあります。長期的に住み続けたい場合は、契約形態と更新条件を慎重に確認する必要があります。
利用シーンと買い戻し特約
リースバックが向いているのは、(1)短期的に現金が必要だが将来的に余裕ができる見込みがある、(2)シニア世代で生涯今の家に住み続けたい、(3)相続を見据えて資産を現金化しておきたい、といったシーンです。買い戻し特約を付ければ、将来資金的余裕ができたときに買い戻すこともでき、子世代が継ぐ選択肢も残せます。買い戻し価格は売却価格の110〜130%程度で設定されることが多く、5年後に1,800万円で売却した家を1,980〜2,340万円で買い戻す形になります。注意点として、リースバック事業者の経営状況によっては、契約期間中に第三者へ転売されることもあり、その場合は新所有者の都合で家賃が上がったり退去を求められたりするリスクがあります。事業者を選ぶ際は、業歴・財務状況・契約条件の透明性を確認することが重要です。
まとめ
リースバックは「家を売って住み続ける」という独特の仕組みで、現金化と居住継続を両立できる魅力的な選択肢ですが、市場価格より2〜3割安い売却・相場より高めの家賃・定期借家契約という条件には注意が必要です。苫小牧でも近年取扱業者が増えていますが、複数業者の条件を比較したうえで判断することをおすすめします。バナナハウス株式会社では信頼できるリースバック事業者の紹介と、通常売却との比較試算も対応しますので、ご検討の際はぜひお声がけください。
この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。


