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相続時精算課税制度を使いこなす|2,500万円贈与+年110万円基礎控除の活用法
ローン・税金 2026年05月27日

相続時精算課税制度を使いこなす|2,500万円贈与+年110万円基礎控除の活用法

60歳以上の親から18歳以上の子・孫への贈与で、累計2,500万円までを贈与時無税にできる相続時精算課税制度。2024年改正で年110万円までの基礎控除が新設され、使い勝手が大幅に向上しました。住宅資金援助・収益不動産の生前贈与で活用例を解説します。

はじめに

相続時精算課税制度は、生前贈与と相続税を一体で考える制度です。2003年に創設され、当初は使い勝手の悪さから利用が限定的でしたが、2024年改正で「年110万円までの基礎控除」が追加され、使いやすさが飛躍的に向上しました。住宅取得資金援助、収益不動産の親から子への移転、事業承継など、まとまった財産の早期移転に威力を発揮する制度です。一方、一度選択すると後戻りできない、小規模宅地特例が使えなくなるなどのデメリットもあり、慎重な選択が必要です。本記事では制度の仕組みと使いどころ、注意点を整理します。

制度の仕組み|累計2,500万円+年110万円が無税

【適用要件】
・贈与者:贈与年の1月1日時点で60歳以上の父母・祖父母(住宅取得資金贈与の場合は年齢要件なし)
・受贈者:贈与年の1月1日時点で18歳以上の子・孫
・贈与財産:種類・回数・金額を問わない(現金、不動産、有価証券など)

【非課税枠】
・累計2,500万円までは贈与時に贈与税ゼロ
・2,500万円超過分は一律20%の贈与税
・年110万円までは別枠で控除され、相続財産にも加算されない(2024年改正)

【相続時の精算】
贈与者(親)が亡くなった際、過去の贈与財産(累計2,500万円までの分)を贈与時の評価額で相続財産に加算し、相続税を計算。すでに納めた贈与税があれば相続税から控除(控除しきれない分は還付)。年110万円の基礎控除内の贈与は相続財産に加算されません。

例:親から1,500万円を相続時精算課税で贈与→贈与時は無税。10年後親が死亡、相続財産1億円+過去贈与1,500万円=計1億1,500万円で相続税計算。年110万円の基礎控除を使った贈与分(過去10年で計1,100万円)は加算されないので大きな節税効果が出ます。

【選択方法】
最初の贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日に「相続時精算課税選択届出書」を税務署へ提出。一度選択すると同一贈与者からの贈与については暦年贈与に戻れません。

活用シーン1|大型住宅資金援助で2,500万円無税

最もメジャーな活用例が住宅資金援助です。住宅取得等資金贈与の非課税特例(省エネ住宅1,000万円)と併用可能なので、組み合わせて使えば最大3,500万円超を無税で受贈できます。

【活用例:苫小牧市内で4,000万円の長期優良住宅を購入】
・住宅取得資金贈与非課税特例:1,000万円
・相続時精算課税:2,500万円
・年110万円基礎控除:110万円
・合計3,610万円を無税で受贈

このスキームを使えば、頭金や物件購入費用の大半を親からの援助でまかなえます。住宅ローンの借入額を大幅に抑えられ、月々の返済負担を軽減できる効果があります。

ただし注意点として、相続時精算課税で受贈した2,500万円分は将来の相続財産に加算されるため、相続税が発生する可能性があります。親の総資産が相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)以下なら相続税ゼロで問題ありませんが、資産家の場合は相続税まで含めた試算が必須です。

活用シーン2|収益不動産の生前贈与で家賃を子へ移転

相続時精算課税のもうひとつの強力な活用例が、賃貸アパートなど収益不動産の生前贈与です。

例えば父親が所有するアパート(評価額2,000万円、年間家賃収入300万円)を子に相続時精算課税で贈与した場合:
・贈与時:2,000万円は累計2,500万円枠内なので贈与税ゼロ
・贈与後:家賃収入300万円が子の所得に
・相続時:贈与時評価2,000万円が相続財産に加算(贈与後の家賃収入は子の財産で加算されない)

仮にこのアパートが10年後に評価額3,000万円に値上がりしていても、相続時に加算されるのは贈与時の2,000万円なので、値上がり益1,000万円が相続税課税を免れる効果があります。また、家賃収入10年分3,000万円が子に移転しているため、親の財産増加を抑える効果も大きく、相続税対策として極めて有効です。

ただし、贈与した不動産については小規模宅地等の特例(最大80%減額)が使えなくなるという致命的なデメリットがあります。自宅敷地の贈与には絶対に向きません。収益物件や、将来値上がりが期待できる土地に絞って活用しましょう。

まとめ

相続時精算課税制度は、住宅資金援助・収益不動産の生前贈与で威力を発揮します。2024年改正の年110万円基礎控除新設で、毎年110万円までは相続財産加算なしで贈与できるようになり、暦年贈与との実質的な差が縮小しました。ただし一度選択すると戻れない、小規模宅地特例が使えなくなる、自宅敷地には不向きといった注意点も多く、選択は将来の相続税まで見据えた慎重な判断が必要です。バナナハウスでは提携税理士のご紹介もしておりますので、苫小牧市内で本制度を活用した不動産取引をお考えの方はお気軽にご相談ください。


この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きや控除額は個別事情により異なるため、税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。