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媒介契約と仲介手数料の法的ルール
法律・制度 2026年05月27日

媒介契約と仲介手数料の法的ルール

媒介契約には「専属専任」「専任」「一般」の3種類があり、業者の義務と売主の自由度が異なります。仲介手数料は宅建業法で上限が定められ、3,000万円物件なら最大96万円。法的に守られた取引のしくみを解説します。

はじめに

不動産を売却するとき、ほぼ必ず不動産業者と「媒介契約」を結びます。一般的にはこの契約の存在自体を意識せずに署名捺印してしまう方も多いのですが、契約形態によって業者の義務、売主の自由度、売却スピードが大きく変わります。また、仲介手数料には宅建業法による上限規制があり、知らないと過大な手数料を払うことにもなりかねません。本記事では媒介契約の3形態と仲介手数料のルール、業者選びのポイントを解説します。

媒介契約の3種類|専属専任・専任・一般

宅建業法34条の2で定められた媒介契約は次の3種類です。

【専属専任媒介契約】
・他の業者への重複依頼:不可
・自己発見取引(自分で買主を見つける):不可(業者を通す必要あり)
・業者の業務報告義務:1週間に1回以上
・業者のレインズ登録義務:媒介契約締結日から5日以内
・契約期間:最大3か月

【専任媒介契約】
・他の業者への重複依頼:不可
・自己発見取引:可(手数料不要)
・業者の業務報告義務:2週間に1回以上
・業者のレインズ登録義務:契約締結日から7日以内
・契約期間:最大3か月

【一般媒介契約】
・他の業者への重複依頼:可(明示型・非明示型あり)
・自己発見取引:可
・業者の業務報告義務:法定なし
・業者のレインズ登録義務:法定なし
・契約期間:法定上限なし(通常3か月)

「レインズ」は不動産流通機構が運営する物件情報ネットワークで、登録すれば全国の業者に物件情報が共有されます。専属専任・専任なら必ず登録され、買主候補が見つかりやすくなる仕組みです。

どの契約形態を選ぶべきか|売主の戦略次第

【専属専任が向いている人】
売却にあまり時間を取れない、業者に全て任せたい、確実に成約させたい、報告を頻繁に受けたい人。業者にとって最も「専属」が確保されるので販売活動に力を入れてもらいやすい一方、業者依存度が高くなります。悪質な業者に当たると「囲い込み(他社からの問い合わせを断り自社で両手仲介を狙う行為)」のリスクも。

【専任が向いている人】
基本は業者に任せたいが、知人から直接買主候補が現れる可能性も残したい人。バランス型の契約で、最も選ばれる形態です。

【一般が向いている人】
複数業者に同時依頼して競わせたい、人気物件で短期間に高値で売りたい、自己発見の可能性が高い人。広く露出を増やせる反面、業者は他社に成約を奪われるリスクを警戒して販売活動を控えめにすることも。

苫小牧のような地方都市では、地元密着の業者に専任媒介で任せるのが現実的に成約率が高い傾向。一般媒介で複数社に出しても、結局は同じ物件情報をレインズで共有するので露出効果は限定的です。

仲介手数料の上限|3,000万円物件で最大96万円

仲介手数料の上限は宅建業法で次の通り規定されています(売買の場合)。

・取引価格200万円以下の部分:5%+消費税
・200万円超〜400万円以下の部分:4%+消費税
・400万円超の部分:3%+消費税

400万円超の物件は速算式「取引価格×3%+6万円」で計算可能(消費税別)。

【計算例】
・1,000万円の物件:1,000万円×3%+6万円=36万円+消費税3.6万円=39.6万円
・3,000万円の物件:3,000万円×3%+6万円=96万円+消費税9.6万円=105.6万円
・5,000万円の物件:5,000万円×3%+6万円=156万円+消費税15.6万円=171.6万円

これは「上限」で、業者と売主の合意で値引きは可能。最近は手数料半額・3分の1・売主からは取らない「片手仲介」を打ち出す業者もあります。ただし、安いだけで業者を選ぶと販売活動の質が落ちるリスクもあるため、サービス内容と総合比較が必要です。

2024年7月から、空き家対策として400万円以下の物件に限り、特例で売主側手数料を最大18万円+消費税まで請求できるようになりました(買主側は従来通り)。地方の安価物件の流通促進が目的です。

仲介手数料以外にかかる費用と業者選びの注意点

【売主が負担する諸費用(手数料以外)】
・売買契約書の印紙税:1万円〜6万円(取引価格により変動、軽減税率適用後)
・登記費用:抵当権抹消登記2〜3万円、住所変更登記2万円程度
・確定測量費:必要に応じて50〜80万円
・解体費:解体して更地で売る場合100〜300万円
・譲渡所得税:マイホーム特例3,000万円控除で多くは課税ゼロ

【業者選びのチェックポイント】
(1) 免許番号と更新回数の確認:「○○知事免許(数字)第XXXXX号」のカッコ内数字が大きいほど業歴が長い。
(2) 行政処分歴の有無:都道府県HPで業者名検索可。
(3) 担当者の宅建士資格:宅建士証の提示要請。
(4) 査定根拠の明示:相場の根拠データ(事例・公示地価)を示せるか。
(5) 媒介契約書の説明:契約形態の違いを丁寧に説明してくれるか。

手数料無料・激安を謳う業者の中には、両手仲介狙いの囲い込みやサービス品質の問題があるケースも。値段だけで決めず、地域実績・対応の丁寧さ・査定の合理性を総合判断しましょう。

まとめ

媒介契約は「専属専任」「専任」「一般」の3形態があり、業者の義務と売主の自由度のバランスで選びます。仲介手数料は宅建業法で上限が定められており、3,000万円物件で最大96万円(税別)。これを超える請求は違法です。業者選びでは免許番号、行政処分歴、査定根拠、契約説明の丁寧さを総合的に判断しましょう。バナナハウスは苫小牧での豊富な売却実績で、最適な媒介契約形態をご提案します。


この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きや控除額は個別事情により異なるため、税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。