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区分所有法とマンション管理組合のしくみ
法律・制度 2026年05月27日

区分所有法とマンション管理組合のしくみ

区分所有法はマンションの専有部分と共用部分の権利関係、管理組合の運営ルールを定めた法律です。総会の決議要件、修繕積立金の意味、規約変更のハードルなど、マンション購入前後で押さえるべき知識を整理します。

はじめに

マンションは戸建てと違い「自分の部屋以外は全員で共有」という独特の所有形態です。エレベーター・廊下・エントランス・敷地はすべて区分所有者の共有物。これらを円滑に管理するために制定されたのが区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)です。管理組合の運営、修繕積立金、規約変更、滞納者への対応など、マンション住まいの土台となるルールを本記事で解説します。購入検討中・購入後の方ともに必須の知識です。

専有部分と共用部分|どこまでが自分のものか

マンションの部屋を購入すると「専有部分」と「共用部分の共有持分」を取得します。

【専有部分】住戸内部のコンクリート躯体に囲まれた空間。具体的には壁・天井・床の表面より内側、玄関ドアの内側、室内配管のうち上下水道メーター以降など。リフォームは原則自由(管理規約による制限あり)。

【共用部分】専有部分以外の建物・敷地全体。エントランス・廊下・階段・エレベーター・屋上・外壁・バルコニー・玄関ドアの外側・サッシ(窓枠)・パイプスペースなど。これらは全区分所有者の共有財産で、勝手な改変は不可。

意外と誤解されやすいのが「バルコニー」と「窓・サッシ」。専用使用権はあっても所有権は共有のため、バルコニーでのDIYや窓ガラスの交換は管理組合の承認が必要です。サッシの色を勝手に塗り替えるとトラブルになるので注意。

「共用部分の持分割合」は専有部分の床面積比例で決まり、これが議決権や管理費負担の按分基準となります。

管理組合と総会|意思決定の仕組み

マンションを区分所有した時点で、所有者は自動的に管理組合の組合員になります。脱退はできません。

管理組合の最高意思決定機関は「総会」で、年1回以上の定期総会(通常総会)と必要に応じた臨時総会が開催されます。決議には事項によって異なる賛成要件が定められています。

【普通決議】議決権の過半数(管理費の決定、修繕積立金の取り崩し、役員選任など)
【特別決議】議決権・組合員数のそれぞれ3/4以上(規約変更、共用部分の大規模変更など)
【特別多数決議】議決権・組合員数のそれぞれ4/5以上(建替決議)

総会には欠席する場合も「委任状」または「議決権行使書」で参加可能。これを出さないと議決権を行使したことにならず、組合運営に影響を持てません。新築マンションでも10〜15%の組合員しか総会に出席しないケースが多く、議決権行使書の提出も含めて積極的に参加することが推奨されます。

修繕積立金と長期修繕計画|将来コストを把握する

マンションには2種類の月額負担があります。

【管理費】日常的な管理運営費(清掃・点検・電気代・管理員人件費)。70㎡で月1〜2万円が相場。
【修繕積立金】将来の大規模修繕に備えた積立。70㎡で月1〜2万円程度(築年数とともに増額傾向)。

国土交通省のガイドラインでは、修繕積立金の目安を専有面積1㎡あたり月150〜380円としています。70㎡で月10,500〜26,600円。築20年・30年と経つにつれて値上げされ、当初月5,000円だったものが月25,000円になることも珍しくありません。

長期修繕計画は通常30年スパンで作成され、12〜15年周期で大規模修繕(外壁塗装・防水・給排水管更新など)が行われます。1回の大規模修繕費用は1戸あたり100〜200万円が相場。修繕積立金が不足すれば一時金徴収(数十万円〜100万円超)か借入が発生します。

マンション購入前は必ず「長期修繕計画書」と「修繕積立金の積立残高」を確認しましょう。築20年で残高が世帯あたり50万円未満なら積立不足の可能性大。一時金徴収のリスクが高いと判断できます。

規約・滞納・建替え|知っておきたい応用知識

【管理規約】マンション独自のルールを定めた基本文書。ペット飼育・楽器演奏・民泊禁止などはここで規定。規約変更には特別決議(3/4以上)が必要で、過半数では変えられません。購入前に必ず原本を取り寄せて読みましょう。

【滞納問題】管理費・修繕積立金の滞納は管理組合の経営を直撃します。区分所有法7条で管理組合は専有部分・建物への先取特権を持ち、競売により回収が可能。新所有者は前所有者の滞納分を承継する義務があり、中古マンション購入時には「管理費等滞納の有無確認」が必須の重要事項説明項目です。

【建替決議】区分所有法62条で定められた、マンション全体の建替えを決定する決議。議決権・組合員数の各4/5以上の賛成が必要。建替えに反対した所有者は売渡請求で買い取られて退去するか、建替えに参加するかを選択します。築40〜50年で建替え議論が出始めるマンションもありますが、合意形成は極めて困難で、実際の建替え件数は累計400件程度(全国マンション約700万戸中)と少数です。

まとめ

マンション購入は「専有部分の所有」だけでなく「管理組合の構成員になる」ことを意味します。共用部分・管理費・修繕積立金・規約・総会決議の仕組みを理解しないと、購入後に「思っていたのと違う」という後悔につながりかねません。修繕積立金の残高、長期修繕計画、管理規約の3点は必ず購入前に確認しましょう。バナナハウスでは中古マンションの管理状況精査もサポートしています。


この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きや控除額は個別事情により異なるため、税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。