コラム

不動産に関するお役立ち情報

空き家問題の現状と国の対策
市場動向・トレンド 2026年05月27日

空き家問題の現状と国の対策

全国の空き家数は900万戸を超え、住宅ストック全体の約14%に達しています。放置された空き家は防災・防犯・景観に深刻な影響を与えるため、国も法整備と税制改正で対応を急いでいます。本記事では空き家問題の現状と最新の対策、所有者がとるべき行動を解説します。

はじめに

「実家が空き家になっているけれど、どうしたらいいか分からない」「相続した家を放置していて、固定資産税が気になる」――こうした悩みは、いまや全国どこでも聞かれる声です。総務省の住宅・土地統計調査によると、空き家数は過去最多を更新し続けており、人口減少・高齢化と相まって今後さらに増える見通しです。空き家は放置すると倒壊リスクや治安悪化につながるだけでなく、所有者自身にも税負担や近隣トラブルといった大きな影響をもたらします。本記事では空き家問題の構造的背景と、所有者が知っておくべき選択肢を整理します。

空き家が増え続ける構造的な背景

空き家が増える主因は、人口減少・世帯数の伸び悩み・新築住宅の供給過多という三つが重なっている点にあります。日本では年間60万〜80万戸の新築住宅が供給される一方、既存住宅の解体や流通は十分に進んでいません。結果として、誰も住まない住宅が次々と積み上がる構造になっています。また、相続を機に空き家化するケースが目立ち、所有者が遠方に住んでいたり、相続人が複数いて意思決定が難航するため、放置されやすい事情もあります。地方では市場価値が低く、解体費用も負担に感じられるため、対応が後回しになりがちです。

空家対策特別措置法と税制の動向

国は2015年施行の空家等対策特別措置法を、2023年に大幅改正しました。改正法では従来の「特定空家」に加え、「管理不全空家」という新区分が設けられ、放置を続ければこの段階でも固定資産税の住宅用地特例(最大1/6軽減)が解除される可能性があります。住宅用地特例が外れると、土地の固定資産税が最大6倍になり得るため、所有者には大きな金銭的インパクトがあります。さらに自治体は、相続人の特定や行政代執行による解体まで踏み込めるようになっています。所有する空き家がある方は、自治体からの通知や指導を放置せず、早めに対応策を検討することが必要です。

所有者がとるべき具体的な選択肢

空き家を持つ方の選択肢は、大きく「活用」「売却」「解体」「相続放棄」の四つに整理できます。立地が良ければ賃貸住宅やシェアハウス、店舗・サテライトオフィスへの転用といった活用が考えられ、自治体の補助制度を使える場合もあります。市場性が見込めるなら売却が最もシンプルですが、価格が見合わない場合は不動産会社による現地調査が必要です。建物の老朽化が著しい場合は解体も選択肢となり、解体補助金を出す自治体も増えています。相続前であれば、相続放棄や限定承認といった法律上の手段も検討余地があります。いずれも早期判断が損失を最小化するカギです。

相続登記義務化と空き家バンクの活用

2024年4月から相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科される可能性があります。これまで「相続したけれど登記していない」状態の空き家は数百万戸に及ぶとされ、所有者不明土地の解消にも繋がる重要な制度改正です。空き家の所有者は、まず相続関係を整理し、登記名義を明確にする必要があります。一方、活用や売却を検討する際は「空き家バンク」の活用も有効です。多くの自治体が空き家バンクを運営しており、移住希望者とのマッチングを支援しています。地方の物件であれば、リノベーション補助金や移住支援金と組み合わせることで、買い手が付きやすくなるケースもあります。地域資源として空き家を再生する事例も全国に広がっています。

まとめ

空き家問題は、もはや特殊な人の悩みではなく、多くの世帯が直面する身近なテーマです。法改正により放置のリスクは年々高まっており、税負担・賠償責任・相続登記義務化の観点からも早めの対応が望ましいと言えます。「実家をどうしよう」と感じた時点が、検討を始めるベストタイミングです。地域の不動産会社や自治体の空き家相談窓口に早めに相談し、無理のない解決策を一緒に探していきましょう。


この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。