コラム

不動産に関するお役立ち情報

敷金・礼金とは?返金の仕組みを徹底解説
賃貸ガイド 2026年05月28日

敷金・礼金とは?返金の仕組みを徹底解説

賃貸契約で必ず出てくる「敷金」「礼金」。混同されがちですが、性質も返金の有無も全く違います。本記事では両者の違い、敷金の返金事例、礼金の意味、敷金トラブルを防ぐ具体策まで、契約前に知っておきたい知識を解説します。

はじめに

賃貸の物件情報を見ると「敷金1ヶ月/礼金1ヶ月」のように並んで表記されています。どちらも家賃数ヶ月分の大きな金額ですが、性質はまったく異なります。敷金は預け金で原則戻ってくるお金、礼金は大家への謝礼金で戻ってこないお金です。この違いを知らずに「契約時に払った敷金が全額返ってくると思っていたのに、ほとんど戻ってこなかった」というトラブルは頻繁に起こります。本記事で両者の仕組みをしっかり押さえ、契約と退去で損をしないようにしましょう。

敷金の役割と返金される金額の決まり方

敷金とは、家賃滞納や退去時の修繕費に充てるために大家へ預ける担保金です。家賃1〜2ヶ月分が相場で、何事もなければ退去時に返金されます。

返金される金額は、預けた敷金から「原状回復費用」を差し引いた残額です。原状回復とは「借主の故意・過失による損耗を元に戻す」ことで、国土交通省のガイドラインで明確に定義されています。例えば壁の画鋲穴や日焼けによる壁紙変色は通常損耗のため借主負担にならず、タバコのヤニ汚れや子供が落書きした壁紙は借主負担となります。

具体例として、家賃7万円・敷金14万円の物件を3年住んで退去した場合、ハウスクリーニング代3〜5万円が引かれて9〜11万円が戻ってくるのが一般的なパターン。ただし喫煙やペット飼育があれば壁紙全面張り替え(10〜20万円)が必要となり、敷金が全額消えて追加請求になることもあります。

礼金の意味と最近の傾向

礼金はもともと、戦後の住宅難の時代に「家を貸してくれてありがとう」という大家への謝礼金として始まりました。法的根拠はなく、習慣として残っている費用です。家賃の0〜2ヶ月分が相場で、退去時に返金されることはありません。

近年は「礼金ゼロ物件」が増加傾向にあります。総務省の住宅統計でも空き家率の上昇が指摘されており、特に地方都市では大家側が借り手を確保するため礼金を取らないケースが一般的になりつつあります。苫小牧市内でも、駅から離れたエリアや築20年以上の物件では礼金ゼロが標準的。逆に新築・駅近の人気物件では礼金1〜2ヶ月分が設定されることもあります。

礼金が高い物件は初期費用が嵩む一方、家賃自体が抑えられている場合もあります。「礼金1ヶ月/家賃6万8千円」と「礼金ゼロ/家賃7万円」を2年契約で比較すると、前者の方が総額で安くなるケースもあるため、トータルコストで判断しましょう。

敷金トラブルを防ぐ4つの実践策

敷金返金をめぐるトラブルは賃貸の相談件数で常に上位です。以下の4つを徹底することで、不当な請求を防げます。

第一に「入居時の状態を写真と動画で記録」。傷・汚れ・設備の不具合を全ての部屋で撮影し、日付入りでクラウドに保存。入居前から存在した損耗は借主の責任ではありません。

第二に「契約書の特約条項を熟読」。「ハウスクリーニング代は借主負担」「畳・襖の張り替えは入居期間問わず借主負担」といった特約が記載されている場合、ガイドラインより不利な条件が適用されます。納得できなければ契約前に交渉を。

第三に「退去立会いに必ず同席」。立会いなしで後日請求されるケースは紛争になりやすいため、修繕箇所と費用見積もりをその場で確認しましょう。

第四に「請求内容の明細を要求」。「修繕費20万円」とだけ書かれた請求書ではなく、項目ごとの単価と数量が記された明細書を必ず受け取ります。納得できない場合は消費生活センターに相談を。

まとめ

敷金は戻ってくる預け金、礼金は戻ってこない謝礼金――この基本を押さえれば、賃貸契約の費用がぐっとわかりやすくなります。敷金の返金額は原状回復費用次第で大きく変わるため、入居時の状態記録と退去時の立会いが何より重要です。礼金ゼロ物件が増えている今、初期費用と家賃のトータルコストで比較する目を持ちましょう。納得のいく契約と退去で、賃貸生活を気持ちよく終えられるよう備えておくことが大切です。


この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。