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建築基準法でおさえたい用途地域の話
法律・制度 2026年05月24日

建築基準法でおさえたい用途地域の話

用途地域は土地ごとの建築ルールを定めた都市計画の根幹です。13種類の地域で建物の種類・高さ・床面積率が変わり、住環境や資産価値に直結します。住宅購入前に必ず確認したい用途地域の基本と読み方を解説します。

はじめに

「隣の空き地に高層マンションが建って日当たりが悪くなった」「住宅街なのに大型店舗が新設されて騒音に悩まされる」――これらのトラブルは購入前に「用途地域」を確認しておけば多くが回避できた可能性があります。用途地域とは都市計画法・建築基準法に基づき、エリアごとの建てられる建物・建てられない建物を細かく規定した制度です。物件選びの段階で必ずチェックすべき重要情報を整理します。

用途地域の13分類|住居系・商業系・工業系

用途地域は大きく3系統13種類に分かれます。

【住居系8地域】
・第一種低層住居専用地域:低層住宅最優先。建物高さ10mまで、コンビニ・小規模店舗のみ可
・第二種低層住居専用地域:低層住宅中心、150㎡までの店舗・飲食店可
・田園住居地域:農地と低層住宅の調和。2018年新設
・第一種中高層住居専用地域:中高層マンション可、500㎡までの店舗可
・第二種中高層住居専用地域:1,500㎡までの店舗・事務所可
・第一種住居地域:3,000㎡までの店舗・事務所、ホテル可
・第二種住居地域:店舗・カラオケボックスも可
・準住居地域:道路沿いを想定、自動車関連施設可

【商業系2地域】
・近隣商業地域:日用品店舗中心
・商業地域:百貨店・映画館・ナイトクラブまで何でも可、容積率は最大1300%

【工業系3地域】
・準工業地域:軽工業中心、住宅も可
・工業地域:住宅可だが学校・病院は建てられない
・工業専用地域:住宅・学校・病院は建てられない

各地域で建蔽率・容積率の上限も決まっており、低層住居専用なら建蔽率30〜60%・容積率50〜200%、商業地域なら建蔽率80%・容積率最大1300%と大きく異なります。

用途地域が住環境と資産価値に与える影響

第一種低層住居専用地域は「住宅街として最も守られたエリア」で、コンビニや工場が建つ心配がなく、高層マンションも建てられないため日照・通風が将来も保たれます。子育てや終の住まいとして人気が高く、相場も周辺より1〜2割高い傾向。

一方で「店舗が遠い」「商業地ほど駅近物件が少ない」というデメリットも。日用品の買い物に車が必須となるエリアも多く、高齢になってからの生活利便性に懸念が残ります。

商業地域は「何でも建てられる」反面、隣に高層ビル・ナイトクラブが建つ可能性も。住居としては駅前マンションを除いて選択肢が少なく、騒音・治安面の懸念が出やすい。準工業地域は意外と狙い目で、住宅と商業施設のバランスが良く、価格も低めに抑えられる傾向があります。

苫小牧市内では、駅周辺・国道36号沿いが商業系、住宅団地が住居系、苫小牧港周辺が工業系という配置が基本。物件購入前に苫小牧市の都市計画図(市役所HPで閲覧可能)で用途地域を必ず確認しましょう。

建蔽率・容積率・斜線制限|知らないと家が建たない

用途地域に紐づく建築制限の代表が「建蔽率」「容積率」「各種斜線制限」です。

【建蔽率】敷地面積に対する建築面積の割合。100㎡の土地で建蔽率60%なら建築面積60㎡まで。1階部分の最大規模を決めます。
【容積率】敷地面積に対する延床面積の割合。100㎡の土地で容積率200%なら延床200㎡まで。総2階+一部3階の家が建てられる目安です。
【道路斜線制限】前面道路の幅と敷地までの距離で建物高さが制限されます。
【北側斜線制限】住居系地域では、北側隣地の日照を守るため建物高さが制限されます。
【絶対高さ制限】第一・第二種低層住居専用地域では10mまたは12mの絶対上限あり。

これらの制限を無視して土地を購入してしまうと「希望の間取りで家が建てられない」「3階建てを諦めるしかない」というケースに陥ります。土地購入前に必ずハウスメーカー・建築士に確認してもらいましょう。

用途地域の調べ方|役所での確認と関連制度

用途地域は次の方法で確認できます。
(1) 市区町村役所の都市計画課で「都市計画図」を閲覧・コピー(数百円)
(2) 市区町村のHPで「都市計画情報マップ」を公開している場合あり(苫小牧市も対応)
(3) 不動産業者が交付する重要事項説明書に必ず記載
(4) 国土交通省の「Mizmap」など民間情報サイトでも確認可能

用途地域と併せて確認すべきは「防火地域」「準防火地域」「高度地区」「風致地区」「日影規制」など、地域の上乗せ規制。これらは建築時にコストアップ要因にもなります。たとえば防火地域内の3階建て住宅は耐火建築物が要求され、木造より建築費が200〜500万円高くなることも。

土地探しの際は「相場が安い土地」が、実は厳しい建築規制で実質割高になることもあるので、用途地域だけでなく付随する規制まで一通り確認するのが安全策です。

まとめ

用途地域は土地の「将来環境」と「建てられる家」の両方を決める根本的なルール。第一種低層住居専用は静かさ重視、商業地域は利便性重視、準工業はバランス型と、ライフスタイルに合わせて選びましょう。建蔽率・容積率・斜線制限まで合わせて確認することで、購入後の建築トラブルを未然に防げます。バナナハウスでは苫小牧市内の用途地域に精通したスタッフが土地探しからサポートします。


この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きや控除額は個別事情により異なるため、税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。