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民法改正で変わった契約不適合責任のポイント
法律・制度 2026年05月28日

民法改正で変わった契約不適合責任のポイント

2020年4月施行の改正民法により、瑕疵担保責任は契約不適合責任へと姿を変えました。買主の権利が拡大され、追完請求や代金減額請求が可能になった新ルールを解説します。

はじめに

不動産売買で長らく用いられてきた「瑕疵担保責任」という言葉は、2020年4月1日施行の改正民法により「契約不適合責任」へと改められました。単なる名称変更ではなく、買主が行使できる権利の種類や請求できる範囲も大きく見直されています。中古住宅の取引が活発な苫小牧市においても、契約不適合責任のルールを理解しておくことは買主・売主双方にとって不可欠です。本記事では旧法との違い、責任追及の手段、そして実務上の対応について整理していきます。

瑕疵担保責任からの主な変更点

旧民法では「隠れた瑕疵」が要件とされ、買主が知り得なかった欠陥に限って責任追及が可能でした。新民法第562条以下では「契約の内容に適合しないこと」が要件となり、「隠れた」かどうかは問われません。つまり契約書に記載された性能や仕様と異なれば、目に見える不具合でも責任追及の対象となります。また旧法での損害賠償は信頼利益にとどまるとされていましたが、新法では履行利益まで請求可能と解されています。さらに権利行使期間も「事実を知った時から1年以内に通知」すれば、その後の請求は消滅時効まで可能となり、買主の保護が強化されました。消滅時効は権利行使可能時から10年、または知った時から5年です。

買主が行使できる4つの請求権

契約不適合があった場合、買主は4つの権利を選択的に行使できます。第一に追完請求権(民法第562条)で、目的物の修補や代替物引渡しを求めることができます。第二に代金減額請求権(同第563条)で、相当の期間を定めた追完催告に応じなければ不適合の程度に応じて代金減額を請求できます。第三に損害賠償請求権(同第564条、第415条)、第四に契約解除権(同第564条、第541条、第542条)です。中古住宅で雨漏りや給排水管の故障といった不具合が見つかった場合、まず売主に修繕を求め、応じなければ修繕費相当額の減額や費用相当の損害賠償を請求するという流れになります。ただし不適合が軽微であれば解除はできず、原則として代金減額や損害賠償で処理されます。

実務上の対応と特約のあり方

宅建業者が売主の場合、宅建業法第40条により契約不適合責任を引渡しから2年以上とする特約以外で買主に不利な特約は無効とされます。一方、個人間売買では特約による責任軽減や免除が可能で、現状有姿売買として責任を一切負わないとする契約も見られます。築年数が古い物件では売主が責任を負いきれないため、こうした免責特約が現実的な解決となります。ただし売主が不具合を知っていながら告げなかった場合は、特約があっても責任を免れません(民法第572条)。買主側の対策としては、契約前のインスペクション(建物状況調査)の実施が有効です。費用は5万円から10万円程度ですが、後のトラブル予防には十分価値があります。北海道の住宅では凍結や雪荷重による特有の不具合もあるため、地域に詳しい専門家への調査依頼をおすすめします。

まとめ

契約不適合責任は買主保護を強化する改正となりましたが、特約により内容が大きく変わる点に注意が必要です。契約書の責任条項を細部まで確認し、責任期間や対象範囲を明確にしておくことがトラブル回避につながります。バナナハウス株式会社では苫小牧市内の中古住宅取引においても、契約不適合責任の取扱いについて丁寧にご説明しています。ご相談はお気軽にお問い合わせください。


この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きは個別事情により異なるため、税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。