都市計画道路の予定地に該当する土地は、将来道路として使われる可能性があります。購入前に知っておきたい制限事項と補償の仕組みを解説します。
はじめに
土地や住宅を探していて気に入った物件があっても、都市計画図を確認すると敷地の一部または全部が「都市計画道路」の予定地に含まれていることがあります。都市計画道路とは、将来の街づくりのために計画決定されている道路で、計画決定から長期間経過しても未着手のものも少なくありません。苫小牧市内にも複数の都市計画道路が決定されており、住宅地でも一部かかっているケースがあります。土地購入を検討する際にどのような制限があり、いつ事業化されるのか、補償はどうなるのかを理解しておきましょう。本記事では都市計画道路と既存建物の関係を整理します。
都市計画決定と建築制限の内容
都市計画法第53条に基づき、都市計画道路の区域内では建築物の建築に制限が課されます。具体的には「階数が2以下で、かつ、地階を有しないこと」「主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であること」「容易に移転し、又は除却することができるものであること」という要件を満たし、かつ知事または市町村長の許可を得る必要があります。3階建てや堅固な構造の建物は原則認められないため、都市計画道路区域内の土地では将来の解体・移転を前提とした建物しか建てられません。長期間事業化されない予定地でも制限は継続し、東京都内では計画決定から60年以上経過しても未着手の路線があるほどです。北海道苫小牧市内でも昭和期に計画決定された路線で長期未着手のものがあり、現実に着手される時期は予測困難というのが実情です。
用地買収と補償のしくみ
都市計画道路が事業化されると、対象区域の土地建物は事業認可後に用地買収の対象となります。買収価格は不動産鑑定評価に基づき算定され、近隣の取引事例を参考にした適正価格が提示されます。建物については再築工法(同等の建物を再築する費用を補償)または取得価額補償(建物の現在価値を補償)が選択され、移転実費、動産移転料、仮住居費、営業補償(事業用なら)などが加算されます。さらに土地収用法に基づく租税特別措置として、5000万円の特別控除(措置法第33条の4)が適用され、譲渡所得税の負担が大幅に軽減されます。買収交渉は事業認可から数年かけて行われ、合意に至れば任意買収、難航すれば収用裁決手続きへと進みます。補償額に不満があれば収用委員会への申立てや訴訟も可能です。
購入前に確認すべきポイント
都市計画道路区域内の土地を購入する際は、以下のポイントを確認しましょう。第一に、敷地のどの部分が、どの程度の幅で計画区域に該当するか。苫小牧市役所都市建設部または都市計画図でラインを確認し、面積を測ります。第二に、計画決定からの経過年数と事業化の見通し。長期未着手の路線は当面動かないことが多いですが、近年は道路ネットワーク見直しで廃止されるケースも増えています。第三に、用地買収時の概算補償額。建物価格と土地価格を区分して試算し、ローン残債との関係も検討します。第四に、相続が発生した場合の対応。長期保有予定で相続税評価額に影響することもあります。価格交渉では計画道路該当部分について通常価格より2割から5割減で取引されるのが一般的ですが、事業化が近い路線では補償を見込んで通常価格に近い水準で取引されることもあります。重要事項説明書には必ず記載されますので、宅建士の説明を丁寧に確認しましょう。
まとめ
都市計画道路区域内の土地は建築制限がある一方、適正な補償も保証されています。長期未着手のメリット(住み続けられる)とデメリット(建替え制限)の両面を理解し、ライフプランに合うかどうかを慎重に検討することが大切です。バナナハウス株式会社では苫小牧市内の都市計画情報を確認した上で、お客様に最適な物件をご案内しています。気になる点があればお気軽にご相談ください。
この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きは個別事情により異なるため、税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。


