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既存不適格と違法建築の違いを理解する
法律・制度 2026年05月27日

既存不適格と違法建築の違いを理解する

「既存不適格」と「違法建築」は似ているようで全く異なる概念です。中古住宅取引で重要となるこの区別について実例を交えて解説します。

はじめに

中古住宅の購入を検討する際、「この建物は既存不適格です」「違法増築の可能性があります」といった説明を受けることがあります。両者は混同されがちですが、法的扱いも資産価値への影響も大きく異なります。既存不適格は適法に建てられた建物が法改正で現行法に合わなくなったもの、違法建築は当初から法令違反で建てられたものを指します。苫小牧市内でも築40年以上の住宅では既存不適格が多く、増築未届けの違法建築も時折見られます。本記事ではこの二つの違いと、購入時の判断材料を整理します。

既存不適格建築物の定義と扱い

既存不適格建築物とは、建築当時の法令には適合していたが、その後の法改正により現行法に適合しなくなった建物を指します。建築基準法第3条第2項により、既存不適格部分はそのまま存続が認められ、ただちに違法とはなりません。例えば1981年(昭和56年)の建築基準法改正で耐震基準が大きく強化されましたが、それ以前に建てられた建物(旧耐震)は既存不適格となります。同様に1950年の建築基準法制定時に接道義務が導入されましたが、それ以前から存在した道路に接しない建物も既存不適格扱いとなります。容積率や建ぺい率の制限強化、用途地域変更、防火地域指定なども既存不適格を生む原因です。既存不適格建物は適法状態にあるため、増築や大規模修繕を行わなければ問題ありません。ただし建替えや大規模増築の際は現行法への適合が求められ、敷地条件によっては従前同等の建物が建てられない場合があります。

違法建築の典型例と問題点

違法建築とは、建築基準法その他の法令に違反して建てられた建築物を指します。代表例は建ぺい率・容積率オーバーの増築、建築確認を受けない増築、用途地域に適合しない用途への変更、検査済証取得を意図的に避けた建築などです。違法建築は厳密には「行政指導の対象」となり、特定行政庁から是正命令、最終的には除却命令が出される可能性があります。実務上、是正命令まで至るのは稀ですが、住宅ローン審査では融資不可、火災保険では保険金不払いリスク、売却時には買主が見つかりにくく価格も大幅に下落するといった実害があります。中古住宅を内見する際、不自然な増築部分や、登記簿面積と現況面積に大きな差がある物件は要注意です。固定資産税課税上の床面積と登記簿面積を比較すると違法増築の有無がある程度推測できます。苫小牧市役所資産税課で固定資産課税明細書を確認できます。

中古住宅購入時のチェックポイント

中古住宅購入時には、既存不適格か違法建築かを慎重に見極める必要があります。確認方法としては、まず確認済証と検査済証の有無を確認します。両方そろっていれば適法に建てられた建物で、建築当時の図面と現況を比較して増改築の履歴を追います。次に登記簿謄本と現地の建物を照合し、面積差異や未登記増築部分の有無を確認します。3階建ての建物で確認済証が2階建てとなっていれば違法増築の可能性が高くなります。専門家による建物状況調査(インスペクション)を依頼すれば、構造、設備、増改築履歴を専門家が調査し報告書を作成します。費用は5〜15万円程度です。違法建築が判明した場合、是正可能か(撤去や減築で適法化)、是正費用はいくらかを試算し、購入価格交渉に反映させます。是正不可能な違法建築は買主の住宅ローンが組めず、現金購入限定となるため流通市場が極めて限定されます。

まとめ

既存不適格は「適法だが現行基準に合わない」状態で、そのまま住む分には問題ありません。一方、違法建築は当初から法令違反で、各種手続きや売却で大きな支障が生じます。中古住宅購入時には両者を見極め、適切なリスク評価をすることが大切です。バナナハウス株式会社では苫小牧市の中古住宅取引において、こうした建物の合法性確認も含めて丁寧にサポートします。安心してご相談ください。


この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きは個別事情により異なるため、税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。