不動産登記は「表示登記」と「権利登記」に大別されます。それぞれの担当者、必要場面、費用について実務目線で整理します。
はじめに
不動産登記には大きく分けて表示登記(表題登記)と権利登記の二種類があります。両者は対象や担当者、申請義務、費用がすべて異なります。建物を新築したり土地を分筆したりすると表示登記が必要となり、所有権移転や抵当権設定などの権利変動には権利登記が必要です。苫小牧市内で不動産取引や建築を行う際、どちらの登記が必要なのかを理解しておかないと、手続き上の混乱が生じます。本記事では両者の違いを実務目線で整理します。
表示登記の対象と担当者
表示登記は不動産の物理的状況を公示する登記で、不動産登記法第27条以下に規定されています。土地表題登記、土地地目変更登記、土地分筆登記、土地合筆登記、建物表題登記、建物表題変更登記、建物滅失登記などが該当します。表示登記の担当者は土地家屋調査士で、測量、図面作成、申請書作成を行います。表示登記の特徴は申請義務があることで、例えば建物を新築した場合、所有者は完成から1ヶ月以内に建物表題登記を申請する義務があり(不動産登記法第47条)、怠ると10万円以下の過料が科される可能性があります。同様に建物を取り壊した場合は1ヶ月以内に建物滅失登記、地目を変更した場合は1ヶ月以内に地目変更登記を申請する義務があります。費用は登録免許税が無料の代わりに、土地家屋調査士報酬として建物表題登記で8〜15万円、土地分筆登記で30〜50万円程度がかかります。
権利登記の対象と担当者
権利登記は不動産の権利関係を公示する登記で、不動産登記法第59条以下に規定されています。所有権保存登記、所有権移転登記、抵当権設定登記、抵当権抹消登記、賃借権設定登記、地役権設定登記などが該当します。権利登記の担当者は司法書士で、必要書類の収集、申請書作成、法務局への申請を代理します。権利登記の特徴は申請が任意であることです(一部例外を除く)。例えば売買で所有権を取得しても、移転登記をしなくても罰則はありません。ただし民法第177条により対抗要件として登記が必要なため、実務では必ず登記が行われます。費用は登録免許税が高めで、所有権移転登記(売買)は不動産価額の2%、抵当権設定登記は債権額の0.4%です。司法書士報酬は5〜10万円程度が相場です。なお相続登記は2024年4月から義務化され、相続を知った日から3年以内の申請が必要となり、怠ると10万円以下の過料が科される可能性があります。
取引における連携と段取り
不動産取引においては、表示登記と権利登記の両方が必要になる場面が多くあります。例えば新築住宅を取得する場合の流れは次のとおりです。第一に建物完成後、所有者が土地家屋調査士に依頼して建物表題登記を申請します。これにより建物の所在、構造、床面積などが登記簿に記録されます。第二に司法書士に依頼して所有権保存登記を申請します。これは初めての所有権登記で、表題登記とは別の手続きです。第三に住宅ローンを利用する場合、司法書士が抵当権設定登記を申請します。これらは通常、決済日に同時並行で行われ、建築主、買主、銀行、不動産仲介、土地家屋調査士、司法書士が連携して進めます。土地分筆を伴う取引では、まず土地家屋調査士が分筆登記を行い、分筆後の各土地について司法書士が所有権移転登記を行うという二段階手続きとなります。一連の登記手数料と報酬を合わせると、住宅取得時の登記費用は20〜40万円程度が目安となります。住宅ローン控除や登録免許税の軽減措置を適用できる場合は費用負担が軽減されます。
まとめ
表示登記と権利登記は対象、担当者、申請義務、費用がすべて異なる別個の手続きですが、不動産取引では両者がセットで必要になることが多くあります。土地家屋調査士と司法書士の役割分担を理解し、適切な専門家に依頼することがスムーズな取引につながります。バナナハウス株式会社では苫小牧市の取引において、信頼できる調査士・司法書士をご紹介できます。ご相談ください。
この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きは個別事情により異なるため、税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。


