借地権では更新時・建替え時に承諾料が発生することがあります。本記事ではその仕組みと相場感を整理します。
はじめに
借地権は土地を借りて建物を所有する権利で、長期にわたる関係性が前提となります。借地契約の更新時、建物の建替え時には、地主の承諾と承諾料の支払いが慣例的に行われます。本記事では借地権における更新料・建替え承諾料の基本ルールと、相場の考え方を整理します。
借地権の基本構造
借地権には、借地借家法(1992年8月以降に設定された借地)と、旧借地法(それ以前に設定された借地)の二つの体系があります。一般的に「旧法借地権」と呼ばれる旧借地法上の借地権は、現在も多く残存しており、強い借地人保護がなされているのが特徴です。新法(借地借家法)には、普通借地権と定期借地権の二つの類型があります。普通借地権は借地人に強い保護がある契約で、地主からの更新拒絶には正当事由が必要となります。一方、定期借地権は契約期間満了で確実に終了する形式で、一般定期借地権・事業用定期借地権・建物譲渡特約付借地権の3類型があります。普通借地権・旧法借地権では、契約期間満了時には更新の問題が生じ、建物の使用継続が長期化するのが一般的です。建物の老朽化や用途変更に伴い、建替えが必要になる場面では、地主の承諾を得る慣行があります。
更新料の基本と相場
借地契約の更新時に支払われる「更新料」は、法律で義務付けられたものではありませんが、契約書に明記されている場合や慣習として認められている場合に支払いが求められます。更新料の相場は、地域や物件により幅がありますが、一般的には借地権価格(土地評価額に借地権割合を乗じた金額)の5〜10%程度が一つの目安です。地代の数十ヶ月分という計算方法もあります。契約書に更新料の規定がない場合、地主からの請求は法的拘束力を持たない可能性があり、当事者の協議によります。判例では、合意なき更新料請求は認められない傾向にあります。一方、契約書に更新料の規定がある場合は、原則として支払い義務があると解釈されます。更新時の交渉ポイントとしては、更新料金額の妥当性、更新後の地代の見直し、契約期間の確認などが挙げられます。借地借家法上、普通借地権の更新後の期間は最初の更新で20年、2回目以降の更新で10年が法定されており、合意で延長することは可能ですが短縮はできません。
建替え承諾料と譲渡承諾料
建物の建替えには、地主の承諾を得ることが慣習であり、契約書に建替え制限の条項があれば法的にも必要となります。建替え承諾料は、新築建物の用途・規模・構造変更を地主が認めることへの対価的位置付けで、相場は借地権価格の3〜10%程度が一つの目安です。木造から鉄筋コンクリート造への構造変更、住居用から事業用への用途変更などは、地代見直しを伴うこともあります。建替えの際は、新築建物の規模・用途・建築計画について地主に説明し、書面で承諾を得るのが安全です。地主が承諾しない場合、借地借家法・旧借地法に基づき「借地非訟」という裁判所手続きで、地主の承諾に代わる裁判所の許可を得る道もあります。譲渡承諾料は、借地権を第三者に売却する際に地主に支払うもので、相場は借地権価格の10%程度が一つの目安です。借地権の譲渡には地主の承諾が必要で、承諾なき譲渡は契約解除事由となるため、譲渡前に必ず承諾を得る必要があります。地主が譲渡を承諾しない場合も、借地非訟手続きで裁判所の許可を求めることが可能です。
まとめ
借地権の更新・建替え・譲渡には、地主との関係調整と承諾料の支払いが伴います。法律上の絶対的義務ではないものの、契約書・慣習・実務上の必要性により、円滑な権利行使には承諾料の準備が現実的です。バナナハウス株式会社では、苫小牧で借地権に関するご相談、地主との交渉サポート、専門家のご紹介を行っております。借地・底地のお悩みはお気軽にご相談ください。
※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きは個別事情により異なるため、税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。
この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。


