住宅購入時にかかる「不動産取得税」と「登録免許税」は、軽減措置を活用すれば数十万円の差が生まれます。固定資産税評価額を基準にした計算式、新築・中古別の軽減率、申告期限を具体例で解説します。
はじめに
住宅購入時の「諸費用」のなかでも特に大きいのが税金です。3,000万円の中古住宅を購入すると、不動産取得税と登録免許税だけで合計30〜80万円かかる可能性があります。ただし、軽減措置の適用を受ければ半額以下に抑えられるケースも。申告には期限があり、住宅取得後に放置すると本来支払う必要のない税額を負担することにもなりかねません。本記事では2つの税金の仕組み・計算方法・申告手続きを具体例とともに整理します。
不動産取得税|固定資産税評価額×3〜4%
不動産取得税は、土地・建物を取得した時に都道府県が一度だけ課す地方税です。税額は「固定資産税評価額×税率」で計算され、税率は本則4%。ただし2027年3月31日までは住宅と土地は3%に軽減されています。
固定資産税評価額は売買価格の60〜70%が目安。例えば土地2,000万円・建物1,500万円で買った中古住宅の評価額がそれぞれ1,400万円・1,000万円だとすると、不動産取得税は土地(1,400万円×1/2×3%=21万円)+建物(1,000万円×3%=30万円)=51万円となります。
新築住宅・耐震基準を満たす中古住宅には大きな軽減措置があります。建物の評価額から1,200万円(長期優良住宅は1,300万円)を控除でき、上記例の建物は(1,000万円−1,200万円)×3%=0円に。土地も床面積に応じた減額(最低でも45,000円)があり、トータルで30〜40万円安くなるケースも珍しくありません。
登録免許税|所有権移転・抵当権設定で2種類かかる
登録免許税は不動産登記の際に国に納める税金です。住宅購入時には主に2種類が発生します。(1) 所有権移転登記(売買・新築)と (2) 抵当権設定登記(住宅ローンを組む場合)。
所有権移転登記の税率は、土地が固定資産税評価額×1.5%(2026年3月31日まで、本則2%)、建物は本則2%ですが、住宅用家屋証明書を取得すれば0.3%(一定の認定住宅は0.1〜0.2%)に軽減されます。
抵当権設定登記の税率は借入額×0.4%(本則)が、住宅用家屋証明書取得で0.1%に軽減されます。例:土地評価額1,400万円・建物評価額1,000万円・住宅ローン3,000万円のケースなら、所有権移転(土地21万円+建物3万円)+抵当権設定3万円=27万円。本則税率を適用された場合の60万円超と比べて、軽減措置のあるなしで30万円以上の差です。
申告期限と必要書類|住宅用家屋証明書を必ず取得
不動産取得税は取得後60日以内(北海道は30日以内)に都道府県税事務所に「不動産取得申告書」を提出する必要があります。出さないと納税通知書は届きますが軽減措置が自動適用されないケースもあるため要注意。築年・床面積・住宅性能を証明する書類(登記事項証明書・性能評価書・耐震基準適合証明書)を揃えて申告します。
登録免許税の軽減を受けるには、市区町村が発行する「住宅用家屋証明書」が必要です。住所要件(取得後1年以内に住む)、床面積要件(50㎡以上)、専ら居住用であることなどが条件。申請費用は1通1,300円程度。司法書士が代行してくれるケースが多いですが、自分で取得する場合は市役所税務課で発行されます。
苫小牧市での実例|実際にかかる税額シミュレーション
苫小牧市内で土地150㎡(評価額1,000万円)・新築建物100㎡(評価額1,200万円・長期優良住宅)を3,500万円で購入、住宅ローン3,000万円のケースで試算します。
【不動産取得税】土地は(1,000万円×1/2×3%)−軽減額(土地評価額1㎡あたり×床面積2倍×3%、最低45,000円)≒0〜数万円、建物は(1,200万円−1,300万円)×3%=0円。合計0〜5万円程度に収まります。
【登録免許税】所有権保存登記(新築なので移転ではなく保存:建物評価額×0.15%または認定住宅0.1%)=1.2万円、土地所有権移転1,000万円×1.5%=15万円、抵当権設定3,000万円×0.1%=3万円。合計19.2万円。
このように適切に軽減措置を活用すれば、新築長期優良住宅では税負担を大幅に圧縮できます。建売・中古でも同様の軽減が用意されているため、必ず取扱いを確認しましょう。
まとめ
不動産取得税・登録免許税は「固定資産税評価額」を基準に課され、住宅用家屋証明書や耐震基準適合証明書の取得で大きく軽減されます。新築長期優良住宅なら数十万円単位の差になることも。申告期限(取得後30〜60日)を守り、必要書類を漏れなく揃えましょう。司法書士や宅建士に早めに相談して、本来支払うべきでない税金を払わないようにしたいところです。バナナハウスでも提携司法書士をご紹介可能です。
この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。
※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きや控除額は個別事情により異なるため、税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。


