コラム

不動産に関するお役立ち情報

変動金利型住宅ローンの選び方|メリット・リスク・向く人を解説
ローン・税金 2026年05月27日

変動金利型住宅ローンの選び方|メリット・リスク・向く人を解説

住宅ローンの7割が選ぶ変動金利型は低金利が魅力ですが、将来の金利上昇リスクを背負う商品です。本記事で仕組み・125%ルール・向く人と向かない人を整理します。

はじめに

民間住宅ローンの新規借入の約7割が変動金利型を選ぶというデータがあります。2026年5月時点で店頭金利が年0.4〜0.6%台と業界最低水準であり、月々の返済額を抑えられるのが最大の魅力です。しかし、変動金利型は「半年ごとに金利が見直される」「5年ごとに返済額が改定される」という独特の仕組みがあり、選び方を誤ると将来の家計に大きな打撃を与えます。日銀の金融政策正常化の動きが進む2026年だからこそ、変動金利型を選ぶ前にリスクと対策を十分理解しておく必要があります。本記事では変動金利の仕組み・選び方・向く家計像を解説します。

変動金利の仕組み|短プラ連動と125%ルール

変動金利は「短期プライムレート(短プラ)」と呼ばれる金融機関が優良企業向けに短期で貸し出す金利に連動します。短プラは日銀の政策金利の動きに合わせて変動するため、市場金利が上がれば住宅ローンの金利も上昇します。金利の見直しは年2回(4月・10月)で、見直した金利は7月・1月の返済から適用されます。

ただし、毎月の返済額が頻繁に変わると家計が安定しないため、多くの銀行では「5年ルール」と「125%ルール」を採用しています。5年ルールは「金利が変動しても返済額は5年間据え置く」、125%ルールは「5年経過後に返済額を見直す際でも、前回の1.25倍までしか上がらない」というもの。一見安心ですが、金利上昇分が「未払利息」として元本に上乗せされる仕組みがあるため、トータルの返済負担は確実に増えます。なお、ネット銀行の一部商品にはこれらのルールが適用されない「実額方式」もあり注意が必要です。

変動金利のメリット・リスク|試算で比較する

3,000万円を35年・元利均等で借りた場合、変動金利0.5%なら月々返済は約7万7,876円、総返済額は約3,271万円。一方、フラット35(1.9%)なら月々約9万7,917円、総返済額は約4,113万円。35年間で約840万円の差です。低金利期間が続けば変動金利の優位性は揺るぎません。

しかし、金利が上昇するとシナリオは一変します。借入5年後に金利が1%上昇(0.5→1.5%)した場合、残債約2,690万円・残期間30年で月々返済は約9万2千円に増加。10年後にさらに1%上昇(1.5→2.5%)すれば月々約10万3千円に。当初予算の月7万7千円から3割増の負担となり、教育費がかかる時期と重なれば家計破綻のリスクも。「金利が1%上がっても払える返済額」を試算してから契約することが重要です。

変動金利が向く人・向かない人

変動金利型が向くのは、(1)共働きで世帯年収が高く返済余力がある、(2)貯蓄が潤沢で金利上昇時に繰り上げ返済できる、(3)借入額が年収の5倍以内に収まっている、(4)借入期間が短く(20年以下)金利上昇局面の影響を受けにくい、という条件を満たす家計です。また、教育費の山を越えた40代後半以降のセカンドハウス購入なども適合性が高いと言えます。

逆に向かないのは、(1)住宅ローン以外に貯蓄がほとんどない、(2)夫婦のどちらかが片働きで収入の余裕がない、(3)これから子育てで支出が増える若いファミリー、(4)35年フルローンで借入額が年収の7倍以上、というケース。これらに該当する場合は、当初固定型やフラット35で家計を安定させる方が安全です。変動金利を選ぶなら、毎月の返済額と固定金利との差額を別途貯蓄し、金利上昇時の繰り上げ返済原資として確保しておく「変動+積立」戦略が現実的です。

まとめ

変動金利型は「低金利で得をする可能性」と「将来の金利上昇で損をするリスク」が表裏一体の商品です。日銀の政策転換が現実味を帯びる2026年は、過去10年とは異なる前提でリスクを考える必要があります。借入前に「金利1%・2%上昇シナリオ」で家計シミュレーションを行い、繰り上げ返済原資を確保できる体制を整えてから契約しましょう。バナナハウスでは苫小牧の地銀・労金と連携し、家計分析を踏まえた最適なローン提案をしています。


この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きや控除額は個別事情により異なるため、税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。