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不動産の生前贈与|タイミング・税負担・名義変更の手続きを完全解説
ローン・税金 2026年05月27日

不動産の生前贈与|タイミング・税負担・名義変更の手続きを完全解説

親が元気なうちに不動産を子に贈与する「生前贈与」。相続税対策として有効ですが、贈与税・登録免許税・不動産取得税の負担が相続より重く、安易な実行は逆効果になります。生前贈与すべきケース・避けるべきケース、手続きの流れを解説します。

はじめに

「元気なうちに自宅を子の名義に変えておきたい」「将来の相続争いを避けたい」――生前贈与の相談は不動産業の現場でも増えています。生前贈与は相続税対策として有効な手段ですが、課税面では相続より不利な側面も多く、トータルの税負担で見ると損するケースもあります。本記事では、不動産の生前贈与のメリット・デメリット、適しているケースの判断基準、登記から納税までの実務手続きを解説します。苫小牧市内の住宅事情を踏まえた現実的な活用法もあわせて紹介します。

生前贈与のメリットとデメリット|相続との比較

【生前贈与のメリット】
1. 渡したい人に確実に渡せる:相続では遺言があっても遺留分などで思い通りにならないことがあるが、贈与なら確実
2. 将来の値上がり益を贈与時評価で固定できる:相続時精算課税を使えば値上がり前の評価で相続財産加算
3. 賃料収入を子へ移転できる:収益不動産を贈与すれば、贈与後の家賃は子の所得に
4. 相続争いを未然に防げる:贈与によって権利関係を明確化できる

【生前贈与のデメリット】
1. 贈与税が重い:1,000万円贈与で231万円の贈与税(暦年課税)。相続税の最低税率10%より高い場合が多い
2. 登録免許税が高い:相続なら固定資産税評価額の0.4%だが、贈与は2.0%(5倍)
3. 不動産取得税が課税される:相続では非課税だが、贈与は土地・住宅で評価額の3%
4. 小規模宅地特例が使えなくなる:自宅敷地80%減額が消えるので、相続時より相続税が増える可能性

苫小牧市内で評価額1,500万円の自宅土地を生前贈与する場合のコスト試算:
・贈与税(相続時精算課税利用なら):ゼロ
・登録免許税:1,500万円×2.0%=30万円
・不動産取得税:1,500万円×1/2×3%=22.5万円(住宅用土地の特例適用後)
・司法書士費用:8万〜15万円
・合計:約60〜70万円

これを相続まで持ち越せば、登録免許税6万円+不動産取得税ゼロで済むため、トータル50万円超の差が出ます。「相続税が発生しない家庭」では生前贈与は割高な選択です。

生前贈与が有効なケース|こんな人に向いている

それでも生前贈与が有効なケースは存在します。

【1. 相続税が確実に発生する資産家】
基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)を大幅に超える資産家は、相続税の限界税率が30〜55%になるため、贈与税の負担を払ってでも財産を分散させる価値があります。年110万円の暦年贈与を10〜20年継続すれば、相続税の節税効果は数百万〜数千万円に達します。

【2. 値上がりが期待される不動産】
将来値上がりしそうな土地や、開発地区周辺の不動産は、相続時精算課税を使って早めに贈与時評価で固定するのが有効。苫小牧市内でも工業団地周辺や駅近の土地など、将来性が見込める物件は検討対象です。

【3. 収益不動産(賃貸物件)】
賃貸アパート・マンションは、家賃収入を子に移転できるため、相続財産の増加を抑制する効果が大。長期的に相続税負担を軽減できます。

【4. 確実に渡したい相手がいる】
内縁の妻、長男以外の子、世話になった甥姪など、法定相続人の優先順位とは異なる相手に確実に渡したい場合は、遺言よりも生前贈与のほうが確実です。

【5. 子が住宅取得を予定している】
住宅取得資金贈与の非課税特例(最大1,000万円)を活用できる場合は、現預金を住宅資金として贈与するのが王道です。

生前贈与の手続きの流れ|契約書から登記・納税まで

【ステップ1:贈与契約書の作成】
口約束ではなく必ず書面で。贈与する不動産の特定(地番・家屋番号)、贈与日、当事者の署名捺印を明記。後日の税務調査対策として実印・印鑑証明を添付するのが望ましい。

【ステップ2:所有権移転登記】
法務局で所有権移転登記を行います。司法書士に依頼するのが一般的で、報酬は5万〜10万円程度。必要書類は登記原因証明情報、贈与契約書、登記識別情報(権利証)、印鑑証明書、固定資産評価証明書など。登記時に登録免許税(評価額の2.0%)を納付。

【ステップ3:不動産取得税の納付】
登記後3〜6か月後に、都道府県から不動産取得税の納税通知書が届きます。土地(住宅用)・住宅は評価額の3%(軽減措置あり)、住宅以外の建物は4%。納期限内に納付。

【ステップ4:贈与税の確定申告】
贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日に税務署へ申告。相続時精算課税を選択する場合は「相続時精算課税選択届出書」も提出。住宅取得資金贈与の非課税特例を使う場合は、特例適用の旨を申告書に記載。

【ステップ5:固定資産税の名義変更】
翌年1月1日時点の所有者が固定資産税の納税義務者になるので、年内に登記が完了していれば翌年から子に固定資産税の納税通知が届きます。

費用感のまとめ:評価額1,500万円の不動産を生前贈与する場合、登録免許税30万円+不動産取得税22.5万円+司法書士費用10万円+税理士費用5万〜10万円=合計約65万〜75万円が初期費用。資金的負担も大きいので、贈与のタイミングは資金計画とあわせて検討が必要です。

まとめ

不動産の生前贈与は「相続税対策」として有効ですが、贈与税・登録免許税・不動産取得税の負担が相続より重く、相続税が発生しない一般家庭では割高な選択になります。生前贈与が有効なのは「資産家」「値上がり期待物件」「収益不動産」「確実に渡したい相手がいる」「住宅取得資金援助」のいずれかに該当するケース。実行前には税理士による試算と、司法書士による手続きサポートが不可欠です。バナナハウスでは提携税理士・司法書士のご紹介もしておりますので、苫小牧市内で生前贈与をお考えの方はお気軽にご相談ください。


この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きや控除額は個別事情により異なるため、税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。