コラム

不動産に関するお役立ち情報

不動産売却時の確定申告手順|譲渡所得計算から申告書提出まで完全ガイド
ローン・税金 2026年05月27日

不動産売却時の確定申告手順|譲渡所得計算から申告書提出まで完全ガイド

不動産を売却したら翌年2〜3月に確定申告が必要。譲渡所得の計算式、必要書類、申告書類の書き方、3,000万円特別控除などの特例適用方法まで、初めての方でも迷わない実務手順を解説します。

はじめに

「家を売ったが確定申告は本当に必要?」「3,000万円特別控除を使えば税金ゼロなのに申告する必要は?」――不動産売却後の確定申告は、多くの方が初めて経験する手続きで、戸惑いも多いところ。譲渡損が出ても、3,000万円特別控除で税額ゼロでも、特例を使うなら申告は必須です。本記事では確定申告の必要性判断、譲渡所得の計算手順、申告書の書き方、提出までの流れを苫小牧市の実例を交えて解説します。

確定申告が必要なケースと不要なケース

【確定申告が必要なケース】
1. 譲渡益が出た場合:売却益から3,000万円特別控除等を差し引いた残りがプラスなら譲渡所得税の納税のため必須
2. 3,000万円特別控除を適用したい場合:特例適用は申告が条件。控除後税額ゼロでも申告必須
3. 損益通算・繰越控除を使いたい場合:居住用財産の譲渡損失の繰越控除など、損失でも特例利用なら申告必須
4. 軽減税率の特例(10年超所有マイホーム):特例適用には申告必須
5. 買換特例を使う場合:特定居住用財産の買換え特例適用には申告必須

【確定申告が不要なケース】
1. 譲渡損が出て、損失の繰越控除を使わない場合
2. 売却した不動産が事業用でなく、譲渡益も特例適用後ゼロで、特例適用の必要もない場合(ほぼ皆無)

実務的にはマイホーム売却なら、ほぼ確実に確定申告が必要。「面倒だから申告しない」は絶対NGで、後日税務署から指摘されて延滞税・加算税が課税される事態に。「税務署は売却を把握している」と考えて確実に申告しましょう。

【申告期限】
売却した年の翌年2月16日〜3月15日。期限を過ぎると無申告加算税15〜20%(自主申告で5%)が課税されるため要注意。

譲渡所得の計算手順|具体例で理解する

譲渡所得は以下の計算式で算出します。

譲渡所得 = 譲渡収入金額 − 取得費 − 譲渡費用 − 特別控除

【ステップ1:譲渡収入金額の確定】
売買契約書記載の売却価格そのもの。固定資産税精算金は通常譲渡収入に含めます。

【ステップ2:取得費の計算】
取得費は購入時の費用合計から建物の減価償却分を差し引いた金額です。

含まれる費用:
・売買代金(土地・建物それぞれ)
・購入時の仲介手数料
・購入時の登記費用、登録免許税
・購入時の不動産取得税
・購入時の印紙税
・購入後の改良費(資本的支出のみ。修繕費は除く)

建物の減価償却:
建物は経年で価値が減るので減価償却分を取得費から差し引きます。
減価償却費 = 建物取得価額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

償却率(マイホームの場合・非業務用):
・木造:0.031
・鉄骨造(軽量):0.025
・鉄筋コンクリート造:0.015

例:木造住宅を1,500万円で取得し25年経過後に売却の場合の建物減価償却費 = 1,500万円×0.9×0.031×25 = 約1,046万円。建物の取得費は1,500万円−1,046万円=454万円。

【取得費不明の場合】
取得時の契約書が見つからない場合、譲渡収入金額の5%を概算取得費とすることが認められています。3,000万円で売却した場合、概算取得費150万円。これでは譲渡所得が大きくなりすぎるので、可能な限り実際の取得費を証明する書類を探すことが大切です。

【ステップ3:譲渡費用の計算】
売却時にかかった費用:
・売却仲介手数料(売却額×3%+6万円+消費税)
・売却時の印紙税
・解体費用(売却前に建物を取り壊した場合)
・測量費、境界確定費用
・建物の修繕費(売却のために行ったもの)
・立退料(賃借人がいた場合)

【ステップ4:特別控除の適用】
マイホームなら3,000万円特別控除。譲渡損益から控除します。

【ステップ5:税率の適用】
・短期譲渡所得(所有期間5年以下):所得税30.63%+住民税9%=39.63%
・長期譲渡所得(所有期間5年超):所得税15.315%+住民税5%=20.315%
・軽減税率(10年超所有マイホーム、6,000万円以下部分):所得税10.21%+住民税4%=14.21%

【総合計算例】
苫小牧市内のマイホーム(取得1996年、土地建物計1,800万円)を2026年に2,500万円で売却:
・譲渡収入:2,500万円
・取得費:土地1,000万円+建物800万円×減価償却後150万円=1,150万円
・譲渡費用:仲介手数料91万円+印紙2万円=93万円
・3,000万円特別控除適用
・譲渡所得:2,500万円−1,150万円−93万円−3,000万円=マイナス1,743万円
・課税対象:ゼロ
所有期間30年で軽減税率対象ですが、3,000万円特別控除で課税ゼロなので結果的に税額もゼロ。それでも特別控除適用には申告必須です。

申告書類の準備と提出の流れ

【必要書類】
・確定申告書第一表、第二表
・分離課税用申告書(第三表)
・譲渡所得の内訳書
・売買契約書(売却時、取得時両方)
・売却時・取得時の領収書(仲介手数料、登記費用、税金等)
・登記事項証明書(売却した不動産)
・住民票(売却前の住所と現住所が分かるもの)
・3,000万円特別控除の場合:住民票(特例適用要件確認)
・買換特例の場合:買い替え後の物件の売買契約書、登記事項証明書

【申告書作成の方法】
1. 国税庁「確定申告書等作成コーナー」(オンライン)
 画面の質問に答えるだけで自動計算。e-Tax提出も可能で書類提出不要。
2. 税務署で職員に教えてもらいながら作成
 2〜3月の確定申告期は税務署が混雑するため早めに。事前予約推奨。
3. 税理士に依頼
 報酬5万〜15万円程度。買換特例・損益通算など複雑な特例利用時は専門家依頼が安全。

【提出方法】
・e-Tax(オンライン):マイナンバーカードまたはID/パスワード方式
・郵送:管轄税務署へ。消印有効
・税務署窓口持参:書類控えに受付印をもらえる

【納税方法】
申告後、所得税を3月15日までに納付。納付方法は振替納税、e-Tax口座振替、コンビニ納付、クレジットカード納付、金融機関窓口など。住民税は申告内容が市区町村に通知され、6月から納付書が届きます。

まとめ

不動産売却後の確定申告は、譲渡益・譲渡損のいずれでも特例を使うなら必須。譲渡所得の計算は取得費・譲渡費用の集計が肝心で、特に取得費は購入時の契約書・領収書を確保しておくことが重要です。3,000万円特別控除や軽減税率の特例で税額ゼロになるケースが多いですが、申告手続きを怠ると特例不適用+無申告加算税という二重のペナルティに。バナナハウスでは提携税理士のご紹介もしておりますので、苫小牧市内で不動産売却後の申告にお悩みの方はお気軽にご相談ください。


この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。

※本記事は2026年5月現在の一般的な情報に基づきます。実際の手続きや控除額は個別事情により異なるため、税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。