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賃料の増額・減額請求|借主・貸主双方の権利と交渉の進め方
賃貸ガイド 2026年05月27日

賃料の増額・減額請求|借主・貸主双方の権利と交渉の進め方

「契約途中で家賃を上げると言われた」「逆に近隣相場より高すぎる気がする」――こんなとき、借地借家法は借主にも貸主にも家賃変更の請求権を認めています。ただし、合意できなければ調停や訴訟に発展することもあるため、根拠ある主張と冷静な交渉が欠かせません。

はじめに

家賃は契約時に決まった金額が永続的に固定されるものではありません。経済情勢や周辺相場の変化、建物の老朽化、近隣の新築物件の増加など、さまざまな要因で「現状の家賃が適正でない」状況が生まれます。借地借家法第32条では、貸主・借主双方に「賃料増減請求権」を認めており、適正でない家賃を変更する道筋が法的に整備されています。しかし、実際の交渉は感情的になりやすく、関係が悪化すると退去問題にまで発展することもあります。本記事では、賃料の増額・減額を請求するための法的根拠、具体的な手続き、そして円滑に交渉を進めるためのポイントを解説します。

賃料増減請求権の法的根拠

借地借家法第32条第1項は、「賃料が経済事情の変動、近傍同種の建物の賃料との比較において不相当となったとき、当事者は将来に向かって賃料額の増減を請求することができる」と定めています。具体的に認められる事情は次の通りです。第一に、租税公課(固定資産税・都市計画税など)の増減。税負担が大幅に増えれば貸主は増額を、減れば借主は減額を請求できます。第二に、土地・建物の価格変動。地価の上昇・下落が長期にわたれば、家賃にも反映されるべきと考えられます。第三に、近隣相場との比較。同じエリア・築年数・間取りで近隣物件の家賃が大きく動いていれば、それを根拠に増減を求められます。第四に、建物の経年劣化や設備の陳腐化。古くなった物件は家賃減額の根拠になり得ます。注意点として、契約書に「○年間は賃料を増額しない」などの「不増額特約」がある場合、借主側からの減額請求は可能ですが貸主からの増額請求は制限されます。逆に「不減額特約」は普通借家契約では原則無効とされており、借主の減額請求権は強く保護されています。請求は内容証明郵便で行うのが一般的で、相手が応じない場合は調停・訴訟に進みます。

増額・減額を求められたときの対応

貸主から増額を求められた場合、まずは根拠となる資料を求めましょう。「近隣相場との比較データ」「固定資産税の上昇分」「建物の改修費用」など、客観的な数字に基づいた説明があれば、ある程度の増額は妥当な範囲で受け入れる選択肢があります。逆に、根拠が示されないまま「経営が厳しいから」といった理由だけでは、応じる義務はありません。借主側が減額を求める場合は、不動産情報サイトで近隣の同条件物件の家賃を10件ほど集め、平均値を出して比較資料を作成します。築年数、間取り、駅距離、設備条件をできるだけ揃えると説得力が増します。また、入居時から現在までの周辺環境の変化(駅からの距離が遠くなった、商業施設が閉店した、騒音問題が発生したなど)も減額の根拠になり得ます。交渉の場では、感情的にならず「データに基づいた適正家賃を求めている」というスタンスを貫きましょう。合意に至れば「賃料変更覚書」を作成し、双方の署名押印で保管します。合意できない場合、地方裁判所への調停申立てが次のステップです。調停は非公開で進められ、調停委員が間に入って解決を図ります。費用は数千円〜1万円程度で済み、訴訟よりも負担が軽いのが利点です。

交渉を有利に進めるコツと注意点

賃料交渉を有利に進めるには、いくつかの戦略があります。まず、交渉のタイミングを見極めること。契約更新時は最も交渉しやすい時期です。貸主側も次の借主探しの労力を避けたいため、ある程度の譲歩に応じやすくなります。また、長期入居者は「優良借主」として大切にされる傾向があり、過去に滞納がなく、近隣トラブルもないことを実績として強調できます。次に、具体的な代替案を提示すること。「家賃を5,000円下げてもらえれば、契約をもう2年延長します」「設備の修繕は自費で行うので、その分の減額を」といった条件交渉は、双方のメリットを生みやすい提案です。注意点として、交渉中に勝手に家賃を減額して支払うのは絶対に避けてください。これは「一部不払い」と見なされ、滞納扱いになる可能性があります。交渉中も従来の家賃を支払い続け、合意後に差額を精算するのが正しい方法です。また、交渉が決裂しても、貸主から一方的に契約解除されることは法律上難しいため、焦らず冷静に対応しましょう。借地借家法は借主を保護する法律であり、適切な手続きを踏めば、納得のいく解決に至るケースが多いです。

まとめ

賃料の増額・減額請求は、借地借家法で認められた正当な権利です。経済事情や近隣相場、建物の状態など客観的な根拠に基づいて主張し、冷静な交渉で合意を目指しましょう。合意できない場合は調停という手段もあります。バナナハウス株式会社では、苫小牧での賃貸相場情報や、家賃交渉に関するご相談に対応しています。「今の家賃が適正か知りたい」「契約更新を機に見直したい」といった方は、お気軽にお問い合わせください。


この記事は北海道苫小牧市の不動産仲介会社「バナナハウス株式会社」のコラムです。住宅の購入・売却・賃貸についてご相談はお気軽にお問い合わせください。